Alvarez Yairi JY-10 RB 1995年製
アルバレズヤイリのギター。
日本人はこういうナッシュビルジャンボタイプのギターは好まないのかも知れませんが、私は大好物!大きい事は良い事です。
大きなボディーならではのロングサスティーン!最高ですね。
スペックはスプルーストップにサイドバックはメイプル、割れ止めが無いのでおそらくは合板でしょうね。
指板とブリッジはローズウッド、ネックはマホガニーです。
ギブソンでは年代物のギターでサイドバック合板のモデルがあったそうですが、J-200でそれがあったかどうか・・・。
全てが絶妙ですね。このスペックは・・・。
大きなボディーで低音を稼いで、高音域はメイプルの鳴りで稼ぐ。ヤイリなのでさらにトレブリーかも・・・。
これは良い!繊細でありながら、大胆な音!ギブソンJのコピーモデルといえばそれまでなんですが、実はちょっと違うんだよね・・・。
わからんかなー・・・。この良さが・・・。
音は前に飛ぶ感じ。硬いといえば硬いのですがね。
ガッツが無いと鳴らないギターです。
このギターのような、J-200で鳴らないとおっしゃる方が非常に多いですね。
確かに“鳴りません”(笑)正確には“鳴り難い”です。
それは何故かといいますと、サイドバックがメイプルだからです。
メイプルは固い材ですね。木製バットの材です。なので、マホガニーとか、ローズウッドと同じ鳴らし方では鳴りません。
では、どうすれば鳴るか?
ピッキングやストロークを、
力一杯弾く事です。(笑)
力を入れて弾くという事は、ある意味レガートやハンマリングなどは力を抜いて弾かないと速くはなりませんので、このギターではいわば鳴りません。苦手という事です。
同じようにピッキングでも、確かに弾いているといっても軽く弦に当てるだけで鳴るギターもそれはそれで魅力ではあります。
しかし、弱いピッキングでは、やはり弱い音しか出ません。
音にも強い音と弱い音があって、このようなギターは強い音が出るギターという事です。
間違ってはいけないのは大きい音ではなく、強い音という意味です。
常に3割を打てる打者でホームランバッターというのは、そうは居ません。
確かにヒット性の当たりを量産出来る打者は魅力ですね。
しかし、このギターやJ-200はホームランバッターです。当たれば飛びます。(笑)
なので細かい動きは苦手なギターという事です。
ホームランバッターでも、当然、良い悪いというのがありますが、このギターは良いです。
何をもって良し悪しを決めるかといいますと、客席側で聴いてみる事で分かります。
客席側で聴いてみてダメなギターというのは、音の質が悪く、音が、ただ大きいだけでいわば下品な音が鳴るギター。
まあこの辺りは好みもあるのですが、ただ鳴るというギター、それは良くある。
しかし、良いギターというのは、そこに音質が伴うのです。
どうすれば分かるか?といいますと、壁に向かって弾いてみて下さい。
出来れば反響の良さそうな壁に向かって。
その跳ね返りの音が、そのギターの持つ音という事です。
まあ、壁に幾分音が吸収されるので断片しか分かりませんが、傾向は判断出来ると思います。
そうやってチェックすると、結構景色が変わりますよ。
良いホームランバッターのギター?というのは、ただ音がデカいだけではなく、音に分散感があるのです。言うなれば音質が良いのです。
そして、決定的なのはゲージですね。
細い弦では負けるギターというのが世の中にはあるという事です。
テレテレと、愛を説くとか、ジメジメと淋しさを歌うとか、そんなのはこのギターには無理です。(笑)
「ざけんなコラ!」「くたばれボケ!」という想いで元気に弾くなら最強のギターですよ。(笑)
以前100名位の観客の前でこのギターで弾かせて頂いた時、
後ろの方で聴いていた女性から「ギターの音ってああいう太い音もあるんですね。良いですね。」
と言われた事があります。他にも「目茶苦茶デカくて良い音でしたよ。」と、一番後ろで聴いていた方から言われた事もあります。
その時は生音で、しかもピアノと一緒に演奏していてです。
その時は両方とも“やけくそ”に弾いていたんですよね実は。(笑)
ですので、ヘヴィーゲージの太い弦を張って、力一杯弾いて初めてポテンシャルの出るギター、それがメイプルという事です。
勿論そんなのは楽器店の試奏では無理ですね。
張ってあるのは大抵ミディアムライトですので。
そして思いっきりガリガリ弾いてもしも傷でも付けた日には、白い目で見られるか、そのギター買わされる羽目になりますよ。
そして、そもそもフィンガーピッキングのテレテレ弾きに慣れた人にはメイプルは向きませんね。
そう、ガッツが無いと鳴らないギター。それがメイプルですよ。
ちなみにヒット量産するような質のギター?で同じようにホームラン狙いにいってみて下さい。
“本当に鳴りますか?”(笑)正確には“音質はどうですか?”
更に正確に表現すると、“ハードピッキングにボディーが耐えられてますか?”
その前に、“ヘヴィーゲージ張れるギターですか?”
という事です。
強く弾くと、ボーンと大きい音は鳴ってくれると思いますが、いわば音割れするような鳴り方ではないかと思います。
それは、ピッキングやストロークにボディーが負けているという事です。
負けないためには大きいボディーで、頑丈でないといけません。
それがJ-200であり、このギターです。
・・・。まあ、弾いてて疲れますけどね。(笑)
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