日記を書くとは?

日記を書く事についての文献です。考えてみれば奥深いですよね。という訳で葛城も「思想」つまり「日記」をつける事にしたのであります・・・。

日記―信頼できる友 ( AWAKE!誌 2001.8.8号より )

無慈悲な世にあって,日記は信頼のおける仲間,共感してくれる友になり得ます。

日記をつけることによって,「個人の人生行路を描き出した画集を残すことができる」と,作家のクリスティーナ・ボールドウィンは言います。

日記は,過去を目に見える形で記録するアルバムに似ています。つまり,文字による“スナップ写真”が,その人の歩んできた人生を浮き彫りにし,保存してくれるのです。

聖書時代,政府が重大な出来事の記録を取ることは珍しくありませんでした。

聖書自体,そうした公の記録に何度か言及しています。(民数記 21:14,15。ヨシュア 10:12,13)

ギリシャ人はエフェーメリデスと呼ばれる一種の暦を編み出し,それに恒星や惑星の毎日の運動を記録しました。(「一日限りの」という意味のギリシャ語のエフェーメロスから来ています。)

ギリシャを征服したローマ人は,こうした日誌を取り入れました。実際家の彼らは,地域社会で起きる,また一般大衆が興味を持つ毎日の出来事を書き加え,その価値を高めました。

そして,それをディアーリウムと呼びました。この語は「日」という意味のラテン語のディエースに由来しています。

しかし,日々の私的な出来事の記録として日記が西洋世界で人気を呼ぶようになったのは,イギリス人のサミュエル・ピープスの日録が書かれた17世紀になってからのことです。

敬神の念と世事とが独特に入り交じったピープスの日記は,イギリスの君主チャールズ2世の統治下での生活に関して,歴史家たちにとりわけ深い洞察を与えてきました。

それ以降,日記をつけることはますます人気を呼ぶようになりました。

多くの日記は,歴史的資料としても価値あるものとなりました。

その中でも注目に値するのは,ナチスから身を隠した一人のユダヤ人少女の日記です。

アンネ・フランクの「アンネの日記」は,人間の人間に対する非人道的行為の痛ましい証拠になっています。


日記の魅力は何か

日記をつけるということは,自己表現という人間の基本的な欲求に取り組むことと言えるでしょう。

赤ちゃんが初めて物を言った時の喜びを記すにせよ,愛情の深まりを記すにせよ,日記をつければ,自分の人生を形作る出来事を静かに思い巡らすことができます。

また,書いた事柄をあとで読み返し,それら大切なひとときや,それに伴って生じた感情をよみがえらせることができます。

日記の際立って大きな利点の一つは,自分自身を知るのに役立つということです。

作家のトリスティーン・レイナーは日記を,「自分の気持ちを遠慮なく言い表わせる実用的かつ心理的な手段」と呼んでいます。

聖書は箴言 12章25節で,「人の心の煩い事はこれをかがませ(る)」と述べています。

自分の「煩い事」を人に話す気になれない時は,書いて自分を表現するという方法もあります。

それで日記をつけることは,感情的な痛手に対処する有用な手段としてしばしば勧められます。

日記は,自分の人生について深く考えたり,新しい目標を設けたり,恐らくは問題の解決を図ったりするためにも用いることができます。

自分の問題や気持ちを書くことによって,真の問題点に焦点を合わせ,それらを客観的に見ることができるようになります。

日記をつけることは,教育の手段にもなります。米国教員連盟は親に次のようにアドバイスしています。

「日記をつけるようお子さんを励ましてください。日記をつけるなら,文章能力や創造性を伸ばすことができます」。


どうやって始めるか

まず,静かな場所,そして気に入った日記帳かノートを見つけます。

確かに,書き込まれるのを待っている白紙のページを見ると,かなり気後れするかもしれません。

しかし,重要なのは,正直に,のびのびと,簡潔に書くことです。

次のように自問できるかもしれません。

『今日は何をしただろうか。それによってどんな影響を受けただろうか。何を食べただろうか。だれに会っただろうか。自分の気にかけている人の生活にどんなことが起きているだろうか』。

あるいは,今の自分について考えてから,
『わたしは今,人生のどのあたりにいるのだろうか。目標は,夢は,何だろうか』
と問うこともできます。

あとは,批判的にならずに,筆に任せて書きましょう。

書く量は多くても少なくてもいいでしょう。書く頻度も同じです。気取らず,率直に書いてください。

文法や表記の仕方のことは気にしないようにしましょう。ほかに見る人はだれもいないのですから。

写真や新聞の切り抜きなど,自分にとって大切なものを貼りつけてみることもできます。
自分の本です。雑でも丁寧でも,小さくても大きくてもいいでしょう。書きたい時だけ書けばいいのです。

何としても日記をつけなければならないと考えると,挫折して落胆を味わうことになるでしょう。

下の囲みをご覧ください。

科学者が研究中の何かの生物体の変化を観察し記録するために日誌を用いるのと同じように,わたしたちも自分の生活における行動の仕方や傾向を観察し学ぶために,日記を活用できるかもしれません。

日記は,自分の喜びや痛み,短所や長所を明らかにします。また,自分を表現する能力を高めてくれます。

確かに,日記をつけることには努力が求められますが,そのような努力は豊かな報いをもたらすでしょう。


始めるためのヒント

◆ 日記帳は,丈夫なものを選ぶ。持ち運びに便利なものが良いかもしれない。

◆ 一人きりになれる静かな時間と場所を見つける。必ず日付を書く。

◆ 二,三日書けなかったとしても慌てない。やめたところからまた書き始める。

◆ 批判的にならない。気取らず,自分を自由に表現する。漠然とした事柄ではなく,詳細を記す。




戻る
戻る