CB750four-K2からはや5年・・・。
単車とギターの葛城と、のたまいながらスーパーカブにしか乗っていないというのはやはりまずいだろうと、探した単車はXJ400でした。
しかし、何故400で何故XJを?と書くと、そこにXJ400用のヨシムラ機械曲げ当時物があったからだ!
知人が解体屋で見つけてきたのですが、何用か分からないヨシムラ機械曲げ。
ちゃんとヨシムラの刻印がある。アルミフランジ、程度は抜群。
底擦りは無し、カット無しなら良かったんだけど、ちょっとだけカットしてあるかも・・・。
エキパイ側の吊りステーも無い。マフラーエンド部の断面がちょっとガタガタになってるんですよね。・・・。
・・・まあ、当時の人なら普通は切るよね。溶接外すのに。(笑)
今でこそヨシムラ当時物は価値があるけど、当時は・・・。(笑)3点溶接を綺麗に剥がすなんて事をするはずもない・・・。
当時はバッフル外してなんぼですからね。そして、直管が偉い訳で。(笑)
腹下でカットとかだと嫌ですけど、これ位のカットなら、オリジナルでは無いというだけで何ら影響は無いですし、むしろ当時仕様で好ましい。
葛城はショート管はロングより好きです。粋な感じがして。
さて、そんなこんなを思案していて、おもむろにたまたまあった書無しのXJ400スペシャルに取り付けてみると・・・バッチリ適合!
という事はXJ400用という訳だね!という理由で、
(ひょっとしたらZ400FX用がエキパイピッチが同じらしいのでそれ用かもしれませんが・・・。)なんとかこのヨシムラ初期を取り付けたいではないですか!
そんなこんなでXJを探す事になりました。まあ、それだけが理由ではないのですが、空冷4発でありさらに、“音が良い”400ccというのは探す条件でした。
さてXJ400・・・。一口にXJ400と言っても色々あります。
まず只のXJ400。いわゆる初期型ですが、これはYICSという燃焼効率が上がる機能が付いていないタイプです。
そして4本マフラー、セミエアフロントフォーク、リアサスダンパー調整が付いたXJ400D、このDってデラックスのDなんですね。
そして前述のリアルアメリカンモデルのスペシャルことXJ400S。このスペシャルって漫画でタッチの新田君が乗ってましたね。あれはXJ650SPですかね?(笑)で、私のモデルはXJ400Eです。
Eって何の略なんだろ?エクストラ?まあ、別にEって名前が付いていた訳ではなくて、
便宜上誰かが付けただけなのでXJ400が正式名称ですね。
XJの750がXJ750Eなのでそうなったのかもしれません。
上記以外で他にDとどこが違うかというと、まずエンジンの色。これがDは黒ですがEはシルバーですね。
あと、ミラーがEは丸いですがDは四角です。そして調整無しサスと2本出しマフラーとセミエアフロントフォーク無しがEです。
それ以外は同じ。外装ではYSPカラーでDは白と黒のモデルがあるけどEは赤と白のモデルしかありません。
そして、ちなみにですがYSP限定モデルは車体番号も違います。
通常モデルですと、4G0-000***のような感じになりますが、
XJ400YSP限定は4G0-200*** のように2で始まる6桁で、
XJ400DのYSP限定は4G0-100*** のような1で始まる6桁です。
XJ400それぞれの差
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モデル |
XJ400 |
XJ400E |
XJ400D |
エンジン |
YICS無し |
シルバーYICS有り |
ブラックYICS有り |
マフラー |
左右2本出し |
左右2本出し |
4本出し |
ミラー |
黒の丸い半球体 |
黒の丸い半球体 |
メッキのスクエアー |
リアサス |
ダンパー調整無し |
ダンパー調整無し |
ダンパー調整有り |
フロントフォーク |
エアアジャスター無し |
エアアジャスター無し |
セミエアアジャスター有り |
カラーリング |
限定色無し |
白赤のYSPカラー有り |
白赤と白黒のYSPカラー有り |
車体番号 |
通常は
DでもEでも4G0の後、0で始まる6桁 |
YSP限定は、
2で始まる6桁 |
DのYSP限定は、
1で始まる6桁 |
デラックス・・・。しかし、デラックスな割りにはDの仕様は使えないんですよね。(笑)
ノーマルで4本マフラーなのは凄いですが、超重いんですこの4本マフラー。そして音もあまり良くない・・・。CB750Four-KシリーズのHM300とか、ZUのような音を期待するとがっかりしますよ。
スタイルは鋭角に竹槍っぽく上がってるのでカッコよいですけどね。マフラーエンドとかスパッとしていて。
リアサスにしろセミエアフロントフォークにしろ、社外製の方が良い訳で。どうせ集合管入れちゃうんでしょ?という人はEの方が良かったりします。
私はエンジンも黒よりシルバーの方が自然で好きですし。
純正ミラーは結局、EもDも見にくいですよ。それぞれ使ってみましたが・・・。
で、そんなXJ400の、肝心の走りの実力は?といいますと・・・。
うーんマイルド!
速くはないのですが、ま、良いのではないでしょうか?という味ですね。
単車の速さって要は加速力ではないですか。最高速がいくら出ようが、加速力が遅ければ街中では遅い単車という事になります。
すぐに信号がきますし・・・。
そういう意味では4ストロークの400ccは2気筒が速い。XJではおそらく負けます。(笑)でもそういう争いは旧車でやっても意味が無い。
なので、そのそれぞれの存在と個性を楽しむ事。それが旧車の楽しみというものですよ。
今のマシンの性能と比較したら速いっていっても遅いですから。性能を求めるといってもあくまでその旧車としてのベストを尽くすという事ですね。
走りの質を決めるキャブレターはダイヤフラム式のいわゆるSUキャブ式なのでレスポンスはそんなに良くはありませんが、粘っこい味があって上までストレス無く回ります。これも隠れた魅力ですよ。
XJR400とかと比較するとキャブの性能は絶対的に劣るのですが、SUキャブ式なので気持ち三拍子を刻みます。
表現するとXJRが「ボボボボボボ・・・・。」という排気音なのに対してXJ400では、「ボンボボンボボンボボンボ・・・・。」という感じですね。
もちろん低回転アイドリング時の話です。
で、これにヨシムラ機械曲げを入れると音が超素晴らしいです。
空冷DOHC2バルブ4気筒エンジンなので、7000回転でフォーンと鳴きます。この鳴きが400cc空冷4発の醍醐味ですね。
4発なので走行フィーリングは上まで滑らかです。ツーリングに行くには最適な単車ですね。高回転も良いですが、XJは、実は3000回転位の低速が気持ち良いです。何というか、粘る感じが心地良いんですよ。
そして4ストロークの4発はコーナー前のエンブレが心地良いですね。
変にピーキーではない、しっとり感が素晴らしい事に最近気が付きました。(笑)
車体はよく重力バランスを考えてあって、取り回し易くハンドリングも軽快ですね。ヒラヒラ曲がります。
XJ400の魅力は、まとめますと、
@スリム軽量コンパクトというヤマハの思想に則っているという事。これがお子様の頃は分からなかったんですよね。単車はデカいほうが偉いと思っていました。
A2本サスである事。アップハンで走れる事。お子様時代はセパハンに憧れてましたが、セパハンにすると乗りにくいんですね。一気に単車が嫌になります。ノーマル状態でパイプハンである事って空冷4発では結構重要と思うのですが・・・。
Bフロント19インチでリアがドラムである事。粘っこい19インチのハンドリングが良いんですよ旧車というものは。
そしてリアがドラムであるという事。これはディスクの方が良いのでは?と思うかもしれませんがドラムのジワーッと踏み込んだだけ効くブレーキングがリアの場合は良かったりするのです。
ディスクはカッチリ効きすぎて微妙なタッチが難しいんですね。ブレーキ効かないっていう人居ますけど、意味分かんないですね。必要にして十分ですよ。
C当然400ccである事。そして2バルブエンジンである事ですね。4バルブの方が音は斬れて馬力も出るのは分かるのですが、2バルブの味がやはり捨てがたいんですね。
他のメーカーの空冷400cc4発と比較してみますと、
@CB400Fドリームの場合、素晴らしいのですが・・・。私には車体が小さいのです。
AZ400FXの場合、カッコいいけど車体が重い。
BZ400GP〜GPz400Fの場合、やはり街乗りでのルックス的には1本サスより2本サスが良いので・・・。セパハンですし。
CGSX400F、GSX400FSインパルスの場合、音は素晴らしいのですが、セパハンとアンチダイブが・・・。
DCBX400Fの場合、音は超素晴らしいけど、18インチにインボードでセパハンで4バルブと他が好みでは無いので・・・。
Eそれ以降の空冷4発の場合、フロント17インチなので・・・。こう比較すると意外にXJ400って素晴らしいと思いませんか?
(ほとんど私の押し付けですけど。)確かにZ400FXと比較すると軟弱というか軟派なイメージがあるのは分かります。分かりますけど・・・。
それがヤマハというものですよ。(笑)
Z400FXと比較すると整備性に若干面倒な所があります。エンジン降ろしたりするのもXJだと大変ですね。
部品が中央に集まっている感があって、まあ、これがスリム、軽量、コンパクト、な訳ですが。他に余談ですが、ヤマハの良い所は部品が比較的入手し易い事ですね。
ホンダなんかは旧車の部品ありませんが、XJはまだ純正部品は必要な所は出ますので。こんな細かい繊細な所がヤマハの素晴らしい所ですね。スズキ、ヤマハは部品が出るのです。
そういう所がメーカーの思想ですよ。企業としては、新しいバイクを買ってほしいというメーカーの願いは分からんでもないですが、単車って一生付き合いたいと思うモノでしょ?
特に旧車は。やはり車の便利性とは求める方向性が違う訳ですから、こういう所で切り捨ては駄目ですよね。
部品が無いと他の国からもクレーム来ると思いますよ。せっかく日本のお家芸な訳ですからね単車とか車は。末永く愛されるように部品は供給し続けないとね。
経済効果だけではクールジャパンに成れないぞ!と安部総理に言いたい。
話が反れましたが、結論として言えるのは、400ccの空冷4発的な楽しみならXJ400は素晴らしいです。絶対的な速さや過激さは無いですけどね。
過激さや速さを求めるなら別の単車で求めましょう。
何?XJがカッコ悪いって?(笑)
フッ…。どこのお子様だい?良さが分かるようになるには、経験が必要かもね。
などと、個人的には思います。
ヤマハらしい女性的な繊細なフォルムで、美しいといえば、これ以上は無いと思いますけどね。4本マフラー無くても、スタイル最高です!やっぱりカワサキZとは違います。
さて、私のマシンですが、私のXJは長野県にありました。中古車ディーラーを介して購入ですが、ディーラーが長野の山奥の倉庫で眠っていた車体を引っ張ってきたという車体でした。
実走行11000km!後に車検時に“検査記録事項証明書”を発行してもらったのですが、何とワンオーナー車でした。XJでワンオーナーは凄い!
しかし、ワンオーナー車とはいえ、倉庫で20数年眠っていた車体・・・。タンクが錆び、各部が固い・・・。そして勿論キャブが腐っている・・・。
問題車両だったので売れなかったのでしょうね。
これを謎の超絶メカニック“ミスターK”にフル整備して頂き、完調車となりました。
致命的だったのはキャブ。キャブをバラシてみたら内部パーツが折れてました。外して調整を試みたのでしょうけど、無理したんでしょうね。
最初はアイドリングが安定しなかったり、色々ありましたが、今は超完調ですね。
お陰様で程度の良いXJと巡り合えた。
当時から調子が良ければ、既に売られてたでしょうからね。
タンクをワコーズの錆び取りとシーラーで補修してパッキン等も当然交換。オリジナル塗装ではありましたが、給油口からガソリン漏れてドロドロに解けて汚かったから、潔く再塗装。(現在はタンクを別の再塗装物に載せ換えています。これも元々はYSP塗装。)
XJに関してはハンドルと集合管とリアサスとフロントにブレンボ入れて改造終わり。それ以外はしません。バックステップとか入れません。
550純正のオイルクーラーを入れようかどうしようか悩みましたが、ヨシムラ集合を入れていると純正オイルクーラーは入らないので、オイルクーラーは要りませんが、付けるならXJR用の何かを流用するかもです。
乗り易い単車を目指した方がXJに関しては賢明ですね。
思想
思想ってある。日本の主流キャブレターは大きく分けるとミクニとケイヒン。
操安はキャブで決まるので、キャブの性能がそのまま、その単車の味という事になる。
で、ホンダとカワサキの純正は、主にケイヒン製のキャブ。そして、ヤマハとスズキは、ミクニ製のキャブを採用している。(例外はあるらしいが私は未確認。)
例えば負圧式可変ベンチュリー型のキャブの場合、ミクニにCVキャブなんていうのは無い。呼ぶならSUキャブ式と言わないと変だ。
CVキャブはケイヒンの製品の名前なのでCVとはコンスタント、バキュームの意で“アクセルの開度でギクシャクせず、常に一定の空気を吸いますよ”という意味です。
有名なCVKキャブのKはカワサキの意味。
SUキャブのSUは、スキナーズ・ユニオン社の社名からとられています。彼らが開発したメカニズムな訳ですね。
なのでミクニのSUキャブというのもおかしい。しかし分かり易いのでそういう呼び方になる訳ですが、“SUキャブ式の”というのが正解だろう。
で、話を戻しますと、ケイヒンとミクニは、いわばライバルなのです。ですので、ミクニのCVキャブとか言うと、キャブが壊れます。呪われるのです。(笑)
くどいようですが、それをいうなら、ダイアフラム式とか、風船キャブとかそういう呼び方にしましょう。
同じ理由で、たとえケイヒンの方が性能的に好みでも、ミクニのセッティングが出し難くても、スズキ、ヤマハにケイヒンのキャブは入れません。(笑)
やはり、思想ってあります。
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ハンドルは純正だと幅が広すぎるのでYBハンドルを入れて、それに伴ってウインカーをCGCのクリアに(今は純正に戻しました。)
バックミラーをAZミラーのUに変更しました。
更に、純正のアッパーカウルオリジナルYSP塗装があったので、気分で付けてます。風が軽減して楽ですね。乗り易くなりましたね。
リアのFGサスをセイクレットグランドさんで組んで頂きました。
単純なピギーバック無しのタイプを注文させて頂いたのですが、ご親切で、ピギーバックタイプをスプリング、ロッド長、シリンダー長、シム組など、新たに構築して下さいました!
無茶苦茶オーバークオリティになり、滅茶苦茶曲がるようになりました。(笑)
したがって、コーナーリング時に、フロントフォークと、フレームの貧弱さが目立つようになりましたが、非常に面白いマシンになりました!
フロントカウルのスクリーン取り付けのアクリルネジが経年変化で折れたので、ユニクロで組み直しました。アクリルで組みなおしてもよかったのですがね。
CGCのクリア角ウインカーも、現在は気分で純正に戻しました。これはこれで今ではアリだと思うので。
90年代当時は絶対に交換の純正ウインカーでしたけどね。
最初から付いていたYSPのタンクを浜松第一塗装さんで悩んだあげく再塗装しました。
オリジナルペイントではありましたが、ガソリンコックからガソリン溢れてそのまま放置していたため、塗装が溶けて汚かったので、残念でしたが…
ブレーキホースをスウェッジラインに変更。ブレーキマスターも交換しました。
もうこれは完成かな?あとは維持していくだけですね。
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