GPz400F(ZX400A)
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人生のやり残した課題は、根性をキメてやるしかない。
1992年6月1日山梨市で事故に遭い、廃車となったGPz400F… GPz400F A2
次に乗る時もGPzと決めていた割に、実行しなかった自分…
しかし、あれから30年近くの月日が流れ、ようやく実行!
やりたかったのはこんな事なのかよ?と思わなくもないですが、その時考えていた構想を今でも行えるというのは幸せですよ。
とはいえ、ただのGPz400Fには触手は動かない。
私の探していたのはGPz400F A4という車体。
90年代当時現物は見た事無かった。しかし、インターネットは便利ですね。初めてお目に掛かれました。
ちなみにGPz400が3種類あるのは有名ですね。
@初期型は51psのF無し。
Aそして54psのA2。
B更にカラーリング変更のA3。
ここまでは有名です。
そして他にも、
Cカウル無しのGPz400FU(C1、C2)
というモデルがあり、
Dゼファーエンジンがベース(ヘッドカバーの形状が違います。)の1995年頃まで販売されていたC4、C5という海外輸出モデル
があったのですが、
実は、
EA4というレアな車体があるのです。
それがこの銀青のGPz400Fなのである。
GPzエンジンの最終型はA5になるはずなのですが、A5とA3はカタログ上では色が違う扱いなのに、A3とA5は全く同じ色なのです。
(カタログの色表記がA5がエボニー。A3がスターライトブラックとはなっているものの実際は同じ色という…(笑))
それで、A5は車体番号からしか判別出来ない。違いが無いので、結果としてはA3になる訳です。
このカラーは人気が無かったのか?すぐに黒赤系の元のA3カラーに戻されます。なのでA4という訳です。
90年代当時、黒赤とか銀赤のモデルは有名ですけど、3トーンステッカーのカワサキらしからぬ爽やかなカラーリングのこのGPz400Fを、当時必死になって探していた記憶が懐かしい。
本当に無いですよ。葛城はプチレア好きです。
これをインターネットで発見し、部品取りの不動車でしたが、メーター6000q未満の復活したらこれって物凄くいいんじゃないかな?という車体があったので30万程で購入。
年式相応の傷や凹みはありますけど、まあ許せる範囲でした。
そして私がいつもお世話になっている謎のメカニックKさんに整備をして頂く事になりました。

ばらしてみると、ラッキーな事に、BEETのCDIが入っていて、テンションが上がりました!どうやら、リミッターカットのようです。

そして、更にラッキーな事にKさんの元に事故車の部品取りのA4が流れてくるという!これでニコイチで部品の良いとこ取りが出来て、スペアパーツまで手に入るという!
その車体には、ユニコーントップブリッジが付いていたので、スーパーバイクハンドルを装着する事が出来ました!

当時はパイプハン取り付けたくてもスキルも知恵もお金も情報も無くて無理でしたが、すんなりと叶いました!
パイプハン取り付けに際し、移動しなければならなくなるインジケーターをインナーカウルにセンス良く取り付けて頂き、文句なし!
タンクはいつものように錆取り後にワコーズのシーラーで補修。程度はまずまずだったのですけど、安全策の為にこれは仕方ないですね。
キャブはノーマルをOHするよりも、どうせならCRキャブにしようという流れで、CR26パイを新品で、そしてリアサスはいつもお世話になっている、セイクレットグランドさんに、FGサスを組んで頂きました!

フロントフォークは400のフォークだとアンチノーズダイブが片側にしか無い。それだとバランスが気になったので、550のフォークを組みました。
結果ブレーキディスクのサイズが違うという。
なので、ディスクも交換!何でか知りませんが小さいんですね550は。エリミネーター250と互換があります。
オイルクーラーはゼファー400の純正の方が容量が大きいので取り付けを工夫して頂き、装着!
Kさんのスペシャル整備で、ステム、ホイールなどのベアリング部分は全部交換!
CRキャブのセッティングも完璧ですね!ありがとうございます!
とりあえず車検を取って約25年ぶりに乗ってみる。
懐かしいね。確かにこんな感じだった。
サスやハンドル周り、そしてキャブが当時と違うけど、重量感は懐かしい。
7000rpmからの加速感はCRキャブともあって、非常に気持ち良いですね。自分には26パイで正解でした。
現代の交通事情諸々を考慮しても、これで十分というか、これが良いですね。丁度良いんです。
25年前は気付きませんでしたが、改めて乗ってみて分かる。やはりこのバイクは400ccの空冷四発で最強ですね。
Z400FXとZ400GPはロングストロークエンジン。(ストローク47o×ボア52o)
しかし、GPz400とGPz400Fはショートストローク(ストローク42o×ボア55o)で高回転で走れ!という特性。
(※ちなみに葛城所有のXJ400だとストローク48.8oのボア51oという、FXよりもロングストロークになりますね。そういう訳でXJでは低速がよい感じです。♪)
なので3000rpmとかではFX、GPの方がパンチがあって良いと思う。
でも回すならGPzですよ。
ギミック無しのカワサキ伝統の空冷四発2バルブエンジンの究極は、やはりこのバイクだと改めて確信しました。
すいませんけど、ゼファー400はやっぱり牙を抜かれてますね。30年前にするべきな、今更ながらのコメントですけど。
GPzのショートストロークエンジンを、低速向けに振ってあるという点が、違うかなぁと…
低速向けにするなら、FXのストロークに戻すのが正解だったのではないかと。こういう点でやっぱりゼファーは懐古モデルと思えます。
4バルブゼファーと比較しても、ストイックさではGPzの方が上手のように思います。やっぱり空冷なら2バルブに拘るべきじゃないかなぁ…と。
400の空冷四発ですから絶対的なスピードは遅いんですけど、ドラマがありますね。このフィーリングは。
空冷4気筒2バルブに拘った男気というか、開発陣の息吹が伝わるんですよ。この単車はマジで。
権田さんの気持ちも分かります。

さて葛城のGPzに話を戻しますけど、このエンジンはへたりが無い!これは本当にメーター通りのエンジンかもしれません。シャキッとしている。だとしたら非常にラッキーですね!6000kmですよ。
GPzは1982年〜1983年のカウル解禁でカワサキが後付けのビキニカウルなどではなく、カウルを計算して設計した最初の単車なんですけど、元々航空機を造っていたプライドがそうさせるのか?非常に良いですよ。本当に楽です。
空力抵抗に関しては、4メーカーの中で一歩先に行っていたでしょうね。勿論当時での話ですけど。
リアサスにFGを組んでいるので異様に曲がります。いつもの事ですけどフロントの弱さが露骨に出ます。でも、良い感じですよ。純正を遥かに超えてますね。
ツインサスだとどうしても揺れを感じますけど、1本サスなのでウネウネ感が無いです。
1本サスの単車に昔は価値が無かったのは、このサスの問題もあったのですよ。
当時、GPz400のスペシャルサスなど無かった。(笑)WPとかで特注品はあったのかな?
Z400FXは、ツインサスなのでコニ−とかカスタムパーツありましたけど、1本サスは本当に不遇でしたね。
カスタムやレストアの幅が限られてきますからね。必然的に敬遠される訳です。しかし、今の時代なら何でも出来る!
更にいくなら、フロントフォークのカートリッジ化とかも可能ですからね。ありがたい話ですよ。
レーシーにいくなら、やはりベースはGPzが最高です。まあ、今の時代では性能的には、たかが知れてますけど、だからこそ面白い!
まだまだこれから煮詰める必要がありますけど、カワサキの空冷四発は、本当に良いですね。
個性といえば個性ですけど疑問を感じるのは、異型メーターですかね?
ゼファーの初期型ですら、タコメーターの方がメーター大きいのに、何でGPzはタコの方が小さいのか?
これは750TURBOがタコメーターの上にブースト計を配置していた名残とは思いますけど…。
そして、ハンドルを切るとメーターも動くというハンドルマウント。
普通ならメーターはカウルマウントにするべきじゃないのか?
結果、配線の取り回しがごちゃつくじゃん…まあ、カウルレスにするにはこの方が良いんですけどね。
で、液晶メーターの燃料計はアナログよりガソリンの減り方が分かり難いという、その時代ゆえの個性はありますけど、(笑)
GPz400FUのメーターとタンクの小物入れを移植しても良いかもですね。配線とかカプラーとか色々大変かもですけど…。
最高ですよ!GPzは!

ゼファー用ですけど、KERKERメガホンを入れました。
それに伴い、バックステップもマッククレーンを入れました。
ゼファーを酷評してますけど、部品の流用でゼファー用を使えるというのは恩恵ですね。
回して楽しいのがGPz400F最大の魅力です!
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