今でこそ、色々なメーカーの良さが分かるようになりましたが、単車に乗り始めた時は、カワサキ以外は認めていなかった私です。
カワサキの何が魅力かというと、硬派な所なんですね。今でこそヤマハ党になってしまいましたが(笑)質実剛健な車体に憧れていたのです。
最初に乗った単車がこのGPz400Fでした。詳しく言うと84年式GPz400F A2ですね。
城東カワサキというバイク屋が東京にあったのですが、そこに置いてあったGPz400Fに一目惚れして購入しました。
エンジンの音が素晴らしかったんですね。当時はZ400FXにするか悩んでいたのですが、結局値段の高いFXどうこうするより、GPzベースで色々いじった方が良くないか?という考えに一瞬でなってしまいました。
GPzはZ400FX系の空冷4発エンジンです。Z400FXからZ400GPになり、このGPz400Fになるのですが、正確に述べるとGPとGPzの間にGPz400というモデルがあったのです。
・・・ん?同じジャン?と思う諸君は甘い。Fが付くか付かないかで若干違うのです。
Fが付かないモデルつまりフレーム形式ZX400A1は馬力が51psなのに私の乗っていたZX400A2は馬力が3馬力上がって54psだったのです。
これは馬力だけなら空冷マシンでは最高峰でした。まあ、CBR400Fが58馬力でしたが・・・。
ちなみに3型GPzはタンクのラインに金ラインが入っていないとか、カウルのグラフィックが違うとかそういうカラーリングの違いしかありません。
カラーリングでいうなら色々ありまして、黒赤、銀赤、珍しいモノでは銀、水色などありました。
(最近この銀、水色の車体を入手しました!現在レストア計画中です。)→ GPz400F A4
↑ 全てはここから始まるのです。
↑ 勿論ですが、タンクを含む、貴重なA4外装を入手しました!本当に無いですよA4。
アンダーカウルがオプションでありましたね。
車体は大柄で重いのですが、エンジン音は最高でした。カワサキらしい轟音ですね。メカノイズが大きくて男らしい音がしました。
大きめのアッパーカウルが付いてまして、これが結構良いんです。風の影響をこうも低減するものなのか?と便利ですね。私は単車にこれから入っているので、アッパーカウルは嫌いではないのです。
FXに比べると流線形なデザインですね。この単車は見る角度によってカッコ良さが変わります。ホイールサイズは前後ともに18インチですね。
高校時代の知人のGSX400Rと走りに行った時、見比べると車体の高さとタイヤの細さが気になったものです。
今でこそ、それが魅力なのですがね。
ブレーキにAVDS(オートバリアブルダンピングシステム)という機能が付いてるんですが、これが恐ろしい機能でフロントフォークを沈ませないようにする機能なんですね。(笑)
今考えると不自然だったコーナーリングはお前のせいか!と・・・。峠で対向車に突っ込みそうになるわ、コーナー曲がりきれないわ・・・。色々ありましたね。
サスが1本サスなのでリア周りはすっきりとした印象でしたね。そしてハンドルはセパハンタイプ。当時はどうやってパイプハンを付けようか必死で考えたものでしたよ。
GPz400F-Uというのもありまして、これはフロントカウルが無くて、メーターがZ400GPと同じような一体型メーターでした。
でもやはりGPzに拘るなら、カウルは無いと駄目です。そして角目ライトな訳で、これが80年代なんですよ。
ガソリンメーターがタンクに付いてましたが、ゲームウォッチみたいな代物でアナログメーターよりガソリンの減りが分かり難いという曲者でした。(笑)デジタル化するなら分かり難くしてどうする!?
当時友人が水冷のGPZ400Rに乗っていて、私が空冷のこのGPzでした。乗り比べてみても空冷GPzの方が好きでしたね。水冷のGPZは重くて軽快さを16インチホイールにのみ頼っているような乗り味で、うーん・・・という感じでした。
ただエンジンの吹け方とかは流石に水冷4バルブでしたが、やはり空冷4発のカワサキですよ。カワサキの水冷は駄目ですね。重すぎて。
マフラーを探して解体屋とかバイク屋を駆けずり回りましたね。当時はFXのマフラーが使えるという発想が無かった。(笑)しかも新品を組むのは嫌だった。GPz専用のマフラーじゃないと嫌とか、訳の分からない事を考えてましたね。
エンジン同じだからステーを加工すれば付くとか、そういう発想にならない。(笑)
ロクなマフラーが無かったのです。
そして時代がサイレンサーが大きくてチタンとかそういう素材のマフラーが偉いとされている時代でしたので、なお更GPz用のマフラーなど、無い。
あったのはモリワキフォーサイトのみ。(笑)これは沢山あったのですが、嫌いだったので眼中に無い。
せめてモリワキモナカが当時あればね。そういえばその頃はKERKERが全盛期でした。
イメージ的にこの単車は直管タイプもなんか違ったんですよね。RPMは音的に好きじゃなかったし、なかなか考え込んでしまいましたね。
そんなこんなで悩みながら走り回っていたのですがある日、山梨県で全方向点滅赤信号の交差点で左から出てきたセダンと激突。センターフレームが折れるという事故で廃車となりました。
救急車で病院送り。そしてその時の保険金でギターを買い、ギタリストになるという結末を迎えます。
今でも私はこのGPzは好きで、街で見掛けるとやはり目が行ってしまいますね。音が良いから走ってくるとすぐに分かります。
「あ、ゼファーではないね。何だろ?」みたいな感じで。思想的に言うと、水冷全盛時代にあえて空冷最速に拘ってる考え方が硬派な所が好きでした。しかも2バルブですからね。
ただ、絶対的なスピードは今考えると遅かったですね。(笑)やはり空冷4発でどうのこうの出来るほどスピードは甘くありません。(笑)
しかしゼファーに乗るぐらいなら、これの方が良いとは断言出来ますね。
私が好きな権田二毛作もこれに乗ってました。
ああ正確には彼の単車はA1ですが。(笑) |