気力
何とも形容出来ないモノ。この、気力を今回はテーマとして選んでみました。
気力というのは見えないので面白いのですが、人生は気力と思います。
やる気を殺ぐ、気持ちを壊すというのは凄い犯罪だなと思う反面、気持ちだけは誰にも破壊出来ないというのも事実だと思います。
ですが、この気力による障害が多いのも事実。感情障害というのも、結局は気力の問題と言えなくはない。
|
横山光輝 著
項羽と劉邦
中国の歴史を学ぶには、横山光輝先生は欠かせない。漫画といえども侮れないぞ!
単体能力の秀でていた項羽と部下の能力を引き出すことに秀でていた劉邦との覇権争い。
漢王朝400年の基礎を創った男達の歴史ですね。
|
気力系の漢詩3選
下記は
@項羽と
A妻の虞美人と
敵であるB劉邦の3者の有名な漢詩です。
それぞれの気力に注目すると、
なるほどと思いますね。 |
力拔山兮氣蓋世時不利兮騅不逝騅不逝兮可奈何虞兮虞兮奈若何
|
訳
力、山を拔き、氣は世を蓋ふ
時に利あらず
騅逝かず騅の逝かざるを奈何すべき
虞や虞や 若を奈何すべき
|
解説
山を抜くような力と世を蓋う気概をもっていたのに、
時は私の味方ではなかった。愛馬の騅(すいという名)にももはや駆け上がる気力はない。
思い残すのは愛する妻である虞姫である。
|
漢兵已略地四方楚歌聲大王意氣盡賤妾何樂生
|
訳
漢兵已に地を略し
四方楚歌の聲
大王意氣盡きぬ賤妾何ぞ生を樂しまん
|
解説
漢の軍はすでに楚を攻略し、
四方からは楚の歌声がしている。
大王様が気力を無くされて、私もどうして生きていられましょう。
|
大風起兮雲飛揚威加海内兮歸故郷安得猛士兮守四方
|
訳
大風起って 雲飛揚す
威は海内に加はって故郷に歸る
安くにか猛士を得て四方を守らしめん |
解説
大風が起こって雲が飛揚するように、
私は身を起こして四方を平定した。
私は天下を平定して、故郷へ錦を飾ったのだ。
私の思いは、どうすれば、勇猛の良士を得て四方を守らせ、平和を維持することができるかという事。
|
葛城の感想
項羽の愛馬の騅も、馬ながら気を読んだのかも知れませんね、だから走らなくなっちゃった。
騅はそのあとどうなったのかな?
虞美人は良い女ですね。項羽に“死ぬまで付き合いますよ”ってね。
天下一の美人にそう言われて、本当の勝者は実は項羽でないかい?
面白いのは劉邦で、気が最も充実している。(笑)
ま、天下の覇者となったのだから、これから全開で行かせてもらうぜ!といったところか? |
気力というモノは面白い事に人に乗り移る。
楽しい人と一緒に居ると楽しくなり、鬱な人と一緒に居ると鬱になる。ここが大変な所。
同情して良い場合もあるし、しない方がよいという場合もある。
テレビや本や音楽から影響を受けるというのは実際にある。だからこそ、よく選ばないと凄い事になる。
感受性が豊かな人ほど、振れ幅が大きいので、注意が必要だろう。
ですので、人生とは身近にどんな人間を置いているか?とも言えるかもしれない。何かしら励ましてくれる人間を周りに置かないとね。
良い人間関係とは、何かを教えてくれるというだけではなく、気力を分けてくれる存在だと思う。
自分という存在も人に気力を与えられる存在でありたいなと思います。
2009年7月13日 (金) AM 0:27(晴れ)
|