アーティスト
アーティストって何だろう?と改めて考えてみました。単純に言えば“芸術家”です。
では、芸術って何だ?と問うと色々な考えがありますが、葛城的には“作品に作家の意思を伝える”という事ではないかと考えます。
単純にモノを作り出す人が芸術家に成る訳ではなく、“表現出来る”領域にまで達していなければそれは芸術家とは呼べない。
そして私の場合、“使用に耐える”という点が芸術家として認めるかの要求にあります。
ある知り合いの木工作家が居ます。
彼は確かに万事に器用で、色々自分で何でも行ってしまいます。まさに玄人っぽい。
しかし、玄人なのか?といえば、玄人ではない。やはりアマチュアです。
どこが玄人と違うのかといえば、例えば机を作らせてみる。洒落た彫刻をちりばめていて、一見「すごいなー!」と思うのですが、よく見ると机が水平でなく、平面がキチンと出ていなかったり、見えない部分で手抜きをしている。
細かい部分が雑である。その部分を私が指摘すると、「コストが合わない」と言って言い争いになってしまう。なので言わないのですが、皆、気付いていたりする。(笑)
私が思うに、作品を認める為には、まず机としての機能があって次に装飾つまり遊びがある訳です。
平面が出ていない机はもはや机ではないというのが私の考えです。そして、細かい部分まで手を抜かずキチンと仕上げる。ある意味そういう部分こそが最も目立つ訳です。
つまり、芸術家というのは、基本的な作業の上に立脚しているモノという訳です。
形は似ていても、細かい部分がどうか?機能性はどうか?というのが芸術家として認める上でのポイントではないかと考えますね。
つまり、基本を知り抜いていないと遊びは出来ないという訳です。
そして、コストは是非、度外視してほしいと私は考えます。
ある意味その作品は自分の分身な訳です。自分はこうなんだ!という思いを作品に語ってもらうのがアーティストである訳ですから、利益が出るかどうか?というのは“最初に考える点ではない”というのが私の主張ですね。
|
男はつらいよ 第17作目
寅次郎夕焼け小焼け
1976年の夏の作品ですね。
寅さんシリーズは15作目位から25作目位の作品は本当に脂が乗って素晴らしい出来だと個人的には思っております。
テーマは“お金”ですね。粋な金銭感覚とは何かを学べます。
同時に、本当の芸術(アーティスト)とは何か?という事を問う、シリーズの中でも1,2を争う良作です。
昭和の人間は正月といえば寅さんなんですよね・・・。 |
勿論、その活動を続けるためにはお金が掛かりますが、作品で良いモノを作る為にお金を工面しているのであって、生活の為に自分を売るようなプライドではもはや芸術家ではないでしょう。
どんなジャンルで何を作り出すにしても“アーティスト”っていいですね。
そういう真のアーティストに惚れます。今年は何人会えるかな?真のアーティストに。
2013年1月4日 (金) AM 11:08(晴れ)
|